WELQ問題でようやくキュレーションサイトに転換期か

welq 最近キュレーション界隈が騒がしいですが、その発端となっているWELQ問題。以前に当ブログでもKDDIのnanapi買収時に同様の問題を指摘しておりました。(↗nanapi買収とコンテンツミル問題)これをきっかけにキュレーションサイト、コンテンツファームの運営も転換期を迎えるのでしょうか。

今回の問題でとばっちりを受けているGoogleですが、これまで対応を怠ってきた訳ではありません。5年ほど前にGoogleのアルゴリズムの影響を受け、米Demand Mediaのトラフィックが40%近く落ちたことで、コンテンツファームのリスクが明るみになりました。今でも検索ボックスにDemand Media Googleと打つと、「panda」「algorithm」といった候補が出てきますw。

Demand Mediaの時には、低品質なコンテンツが指摘されておりましたが、WELQと似ている本丸の問題は、Googleの評価しているリンクポピュラリティを悪用した手法にあると私は考えています。Googleは先に、ランキング要素の最も重要な2大要素を”リンク”と”コンテンツ”と明言しました。Demand MediaもWELQも、このリンクの穴を利用し、有力な中古ドメインから301リダイレクトを設定することで、過去の中古ドメインへのリンク評価を引き継ぐという手法を使っていることが明らかになっています。

他のキュレーションサイトも含め、多くのコンテンツはネット上の情報の継ぎはぎになっていることが多く、Web上には同じようなコンテンツが大量にインデックスされることになります。Googleはコンテンツの良し悪しの判断をしますが、基本的にはインデックスの内容を分析しているはずなので、内容の薄い情報は排除できても、間違った情報でも大量に同様のコンテンツがインデックスされていると、その情報を”Truth”としてしまうのかもしれません。そして、その同じ情報の中でランキングを決定するときには、文章量やリンクポピュラリティが優先される。結果としてWELQは上位を占めるようになったのでしょうか。似た現象で”OKWAVE”がオリジナルなのに、コピーの”教えて!goo”がいつも上位に出てくる現象を思い出しました・・・。

現在多くの会社がオウンドメディアに力を入れてはいますが、ライターは外注というケースも多く、内容よりも文章量やページ数にこだわっている例も少なくありません。今後より内容が重視され、作り手が意識することで検索結果の健全化が進むことを願ってます。

フルスピード第三四半期決算発表

fs フルスピードの決算が発表されていたので早速レビューを。業績サマリですが、売上8690百万円(前期比4.9%増)営業利益339百万円(前期比21.4%減)。通期の業績予想、売上10.6%増の12500百万円、営業利益24.3%増の750百万円に対して考えると、なかなか厳しい決算内容だったように見えます。(数字は決算短信を元に算出していますが、間違いがあったらすみません。)

特に厳しそうなのが利益。3Qで約116百万の営業利益を、予想達成のためには411百万円まで引き上げなくてはいけません。グラフにするとこんな感じ。img 売上も、3Qが約2931百万円に対し、4Qで必要な売上は3810百万円。ただし、4Qは企業の決算が集中する3月を含む期となるため、広告代理店の売上は増加が見込まれます。実際にフルスピードの昨年の3Q→4QのQonQでは、売上約11%増、営業利益約15%増となっています。この増加をそのまま考慮した今期の着地は、売上約1200百万円、営業利益515百万円という計算。やはり利益は相当厳しいですね。

私の個人的な予想としては、売上利益ともに下振れすると思うのですが、特に下方修正のIRは出ていません。理由として私が思いつくのは3つ。

ひとつめ。実はマジで今のところ計画通りで、4Qに上記のグラフのような驚異的な数字を達成する見込みがある。次に、 社長が交代したタイミングでもあり、今下方修正を出すことは前社長の責任と取られる恐れがある。親会社の社長となる田中社長としては避けたいところでしょうか。もうひとつは、私の知識が正しければ、下方修正が義務付けられているのは売上10%以上、利益30%以上の誤差が予想される場合。フルスピードに当てはめると、売上11250百万円、営業利益525百万円で出さないことも可能。売上は確実にOK、利益も何とかそれ以上にすれば、修正することなく決算を迎えることができます。利益に関しては若干ルールが緩いようにも思えますが、来期の予算を良く描くことで、着地の下振れによる株主の不満をカバーするのかもしれませんね。

ただこの状態で、来期予想を中期経営計画通り達成するのは相当難しいでしょう。もともとM&Aが想定された予算だと思いますが、今のところ買収の発表は特にありません。今期、来期前半までにM&Aが実現できるかが大きな鍵のように思います。

gumi大幅下方修正の責任はどこに

gumi 随分久し振りの投稿になったが、懲りずに続けようと思う。IPO市場では話題のgumiの大幅下方修正、もう少し盛り上がるのかと思ったが、以外と静かな気がするのは、ネガティブな経済情報を抑制するアベノミクス効果なのか。

以前「ITバブルの審査は大丈夫か?」という記事を書いたが、早くもその問題が露呈してきたように思う。もうご存知の方も多いとは思うがおさらいをしよう。gumiは昨年12月18日、ITベンチャーとしては珍しい、新興市場を飛ばして東証一部に上場した。飛び級も異例だったが、それよりも驚かされたのはそのバリュエーションの高さだ。直前期まで赤字、上場期の修正前の予想でも純利益8億そこそこの会社の公開価格の時価総額が900億。

そして僅か2か月半が経った3月5日、突然の大幅下方修正。300億と予想されていた売上は265億に、12億と予想されていた経常利益は△6億に修正された・・・。

様々な掲示板でgumi、ならびに社長がバッシングを受けている様子だ。もちろん上場直後のこの業績予想の修正はあまりに無責任で、経営陣は大いに責任がある。ただ、糾弾すべきは主幹事である野村證券、新日本監査法人ではないか?何のための法外なコンサルティング費に監査費用だ。

私は正直gumiはとても将来性のある会社だと思う。ただ今回の業績予想はあまりにお粗末だと言わざるを得ない。私も多くの会社を見てきて、社長が暴走して誇大な予算を作ってしまう会社は珍しくないし、他の役員陣が何も言えず従うこともしばしば・・・。ただ今回の予算はどうも確信犯のような気がしてならない。時価総額を上げて得をするのは売り出した経営陣と野村證券。どこに本当の責任があるのかは明確にした方が良い。大損をしたのは会社を信じた、また野村證券のゴリ押しで株を購入した株主なのだから。

下方修正により、公募3300円だった株価は3月12日現在で半額以下に。ただ一つ言えるのは、売り出した役員はもちろん、野村證券はオーバーアロットメントの大量売りにより、今回の株価下落で相当な利益を得たことは間違いないだろう。これで幕引きで本当にいいのだろうか。

nanapi買収とコンテンツミル問題

nanapi KDDIが生活ハウツーサイトのnanapiを買収。その評価額は77億円とも言われている。相変わらずKDDIグループのベンチャー企業買収は無茶な評価額で驚かされる。nanapiはユーザやクライアントが記事を投稿し、その記事で得られる広告費をシェアするビジネスモデル。

2010年あたりに、コンテンツミルという言葉がSEO業界で少し話題になったのを知っている方は少ないかもしれない。発端はdemandmedia.comというアメリカのいわゆるコンテンツファームだ。コンテンツを集める手法はnanapiとも似ていて、問題となったのはそのコンテンツの質だ。記事を投稿するユーザはお小遣い稼ぎが中心なので、必然的にそのコンテンツは低品質になった。

nanapiなどの日本のハウツーサイトは大丈夫なのだろうか。 ちょっと「浮気」に関する記事を調べてみた。ワード選定に深い意味はなく、見解が抽象的になりやすい議題として。。。汗

(WooRisより)
すぐ別れるべき!浮気発覚しても「ぜんぜん反省してない男」の特徴3つ
1:開き直る
2:相手の女性のせいにする
3:無責任な理由を語る
http://wooris.jp/archives/104367

いやいや・・・。それは誰が見ても反省していないし・・・。

(nanapiより)
浮気をされない簡単な方法
1:浮気を肯定する
2:自分は絶対しない
3:浮気ならいいのではないか
http://nanapi.jp/7342/

いやいや・・・。すでに浮気されている・・・。

全てが低品質なコンテンツという訳ではないが、コンテンツのチェック機能が働かないと、上記のようなくだらない記事が流通してしまうのだ。そういう点においてはwikipediaなんかは非常に良くできたメディアなのかもしれない。

今年に入って、リブセンスの業績が悪化し、その要因がGoogleによるペナルティだと話題になった。demandmediaとリブセンスに共通するのは、「低品質」だ。コンテンツの低品質が問題になったdemandmediaと、外部からのリンクが低品質(作為的)であることが問題となったリブセンス。

いずれのGoogleによる対応も今に始まった話ではない。外部リンクの低品質によるペナルティはサイバーエージェントが2004年あたりにグループサイトが一斉にペナルティを受け、低品質なSEOサイトのページランクが消されたり、過去にもGoogleのペナルティは何度となくアップデートされた。

私は昨今の”SEOは終わり”という記事や営業トークを見るとイラっとする。Googleが低品質なサイトを除外していくのは当然である一方、良質なサイトもSEOを意識しないとGoogleがユーザを導けないというのも現状だ。SEOはGoogleにとっても必要であり、これからも重要なプロモーション手法のひとつだということを最後に付け加えておきたい。

日本でlyftを成功させるなら今かもしれない

lyft アメリカを中心に競争が激化しているライドシェアサービス。日本には高級タクシーのUBERが今年3月に参入してきたが、格安タクシーのlyft、UberX、sideacar、Hitchといった最もホットなカテゴリが参入してこない。

ライドシェアサービスは日本では参入が難しいと度々言われてきた。自由競争が原則の経済界において、タクシー業界は規制に守られ、格安タクシーに値上げを強要するような始末だ。タクシーの市場規模の大きい日本でライドシェアが未だ浸透できないのは、規制に立ち向かえない経営判断によるものだろう。

日本でも少しずつ使われ始めている空き部屋シェアのAirbnb、空港に駐車している車を貸し出すFlightCarなど、シェアリング・エコノミー(共有経済)と呼ばれるマーケットは驚異的に拡大している。ギャザリング、サブスクリプションと、米発のビジネスモデルが日本で失敗を続ける中、シェアリング・エコノミーの中には日本でも成功する市場が確実にあると思う。

車が必需品の人達には、ライドシェアを利用し、”客”になって車を持たずに不自由なく車がつかえる選択肢、”運転手”になって車を持って副収入で維持費を補う選択肢、それぞれがあっても良いはずだ。ただ一方で、ガソリン価格が170円に迫ろうとしているのに、暫定税率の継続や、160円以上で同税を廃止するトリガー条項の廃止など、無策の政治家に、規制に守られ続けるタクシー業界。

特権階級以外で規制に勝つには世論しかない。ただ今なら世論を味方につけることができる。消費税が上がり、ガソリン価格が上がり、給料が上がらず、競争も許されない。今ライドシェアが参入すれば世論を味方につけて市場を変えられるかもしれない。と思った今日のブログでした。